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2007年1月

2007年1月25日 (木曜日)

利益が出る牧場

経営の要諦ってなんだ?と言えば、

「収入は最大限に、経費は最小限に。」

という言葉に集約されるのだそうです。

私も、自営の身として、共感できる言葉です。

「売るものは高く、買うものは安く。」とも言えます。

今、みなさんの現場での、喫緊の課題は、

買いエサのコストダウンです。

何軒かの顧問先で、飼料設計の調整を兼ねながら、

価格交渉、仕入先検討など、

やれるところで取り組んでみると、

年間100万や200万の利益は出てきます。

ただ、こう書くと…、

「まだ余裕があるんだなぁ。」

「乳価を下げても大丈夫じゃないの?」 なんて思う、

生乳価格決定者の方々がいると困るのですが。

酪農に限らず、

経営者が、どうやって利益を出そうかと考えるのは、

朝起きたら、歯を磨いて、顔を洗うのと同じように、

当たり前のことです。

儲けたお金を、どのように使うかは、

経営者の人生観で変わりますが、

多くの方は、再生産のための投資に使う人、

こういう人が多いのですから、儲けたほうが、いいんです。

一方で、生乳を買う側のことを考えると、

ここも、「買いは安く」が原則です。

だから、買い叩くこともあるというのも、ある意味、当然。

でも、そうならないように、

ホクレンなどの組織があるのだろうと思うのですが、

「なんで価格を下げていくんだろうか?」と、

疑問に思うこともあります。

飲用牛乳も、適正な価格帯があるのですから、

「下げたって、売れるもんじゃない。」と思っています。

まっ、話を戻しますが…、

今の牧場は、どこの牧場も規模が大きくなっていますから、

1頭あたり、1日、30円程度の買いエサ代を下げても、

100頭や200頭の牛がいれば、

100万や200万の利益は出てきます。

でもそれをやるには、いい加減じゃ、失敗します。

いい加減でも、的を射ていればいいんですが、

牛飼いの要諦は、牛が健康なことです。

当たり前のことですが、

これがなかなか、できないんです。

経費下げて、牛が不健康なことって、

実際に起こりうることで、経験がないと、失敗します。

失敗する酪農家のことを言っているのではなくって、

それをサポートしている私も、日々、難しいと思うことなんです。

ミスは許されない、仕事です。

それで経営が傾くことってあるのですから。

何年やっても、そう思います。

収入は最大限に、経費は最小限に。

牛は健康に。

これらは難しいからこそ、経営の要諦なのだろうと思うのです。

Written by 酪農応援隊 

酪農コンサルタントのブログ 加藤隆

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2007年1月23日 (火曜日)

目標に向かって。

「お客さん、何軒持ってるの?」と、たびたび、聞かれることがありますが、

年間契約で訪問コンサルをしている牧場は、20軒ほどです。

依頼があったところへ車を走らせているので、地域は、いろいろです。

2002年の1月から、コンサルティングを開始していますが、

1年の途中で止める人は、まだ、いません。

(今のところですが…)

ただ、1年やってみて、やめた方も2人ほどいましたが、

(自分を省みるきっかけとなりました…。かえって、感謝しています。)

現在、毎月、訪問している牧場の方々は、

契約してから3~4年以上経つ方々ばかりです。

コンサルを開業してから5年が経ち、顧問先は固定化しています。

(開業当時は、仕事がうまくいくかどうか、本当に心配でしたが、

今は、そんな心配をしている時間がなくなりました。)

ただ有り難いことに、「コンサルをお願いしたい」と、

新規の方も年に数人ですが、いらっしゃいます。

ですから、心情としては、すべてお受けしたいのですが、

よく考えてみますと、私一人でできる仕事には限界があります。

今のところですが、受持ちの軒数には、制限を設けさせてもらって、

今、何人かの人たちに、コンサル開始まで待ってもらっている状況です。

お待たせし、大変申し訳ないのですが、空きがあるまで、

期日を、いついつと、はっきり申し上げることはできませんが、

もしよければ、待っててもらうしかありません。

(ごめんなさい)

そんな感じなのですが、

「どのような牧場が私に依頼をしてきているのか?」と言いますと、

経営内容は、まさに、いろいろですが、非常に、安定したところもあります。

今年、新規で受けたある牧場は、1万キロで搾る牧場です。

しかも、減産型のBタイプを選んだ牧場ですが、

それでも、「乳成分などを上げたい」と、コンサルを申し込んでくれた方です。

しっかりと、明確な目標があるようで、一生懸命、取り組んでいます。

一方で、古いお客さんの話をさせてもらいますと、

2003年の春にコンサルを申し込んできた、ある牧場は、

その当時、乳検を休んでいましたが、

コンサル開始と同時に、乳検を再開しました。

6,000kg出るか出ないかの乳量だったこの牧場も、

コツコツと、階段を昇るように、現在は、8,000kg台に乗り、

今は、9,000kg台を目指してがんばっています。

また、2005年の5月からコンサルを行っているある牧場も、

乳検未加入の牧場でしたが、コンサル開始後、

乳検を初めて実施した牧場です。

この牧場も、エサ代、肥料代の削減と、そして、

個体乳量アップ、乳質アップなどに取り組んでいます。

顧問先の多くは、新たなものにチャレンジすることで、

ある意味、新鮮さと、若干の緊張を感じながら、

自分たちの牛、そして経営を見つめ直しているようです。

Written by 酪農応援隊 

酪農コンサルタントのブログ 加藤隆

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2007年1月19日 (金曜日)

牛を絶対、ダメにしない。

お久しぶりです。

年が明けてから2週間、

顧問先契約牧場の定期訪問で、道東を走り回っていました。

今日で、とりあえず、今月の外回りは一旦、休止です。

来週からは、ニュースレター、新聞寄稿の執筆です。

それと、2月上旬に開催される、ある農協での講習会の準備と、

冬期はいつも、大忙しです。

さて今日、今月の顧問先の訪問を終え、

帰宅後、しばし、机に向かい、訪問内容を振り返っていました。

それぞれの牧場の、昨年の反省と、今年の意気込み、

エサ代を中心とした、経費の打ち合わせ。

乳質アップなど、収入増へ向けての打ち合わせ。

こんなことが話のテーマでしたが、

やはり、今年も、実感したことがあります。

それは、酪農は、というより、畜産は、

「家畜(牛)をダメにしないことが、儲けにつながるのだ。」

と、顧問先共々、再認識したことです。

それは、経営の視点をどこに置くか?で、当然のように成果が違います。

青天井で搾れたちょっと前の時代、

このとき、多くの牧場は、出荷乳量に視点を置いていました。

出荷乳量を増やすためには…、

エサで搾り、牛の数で搾り、

そのために、エサを買い、牛を買い、

資本をどんどんそこにつぎ込みました。

偶然にも、その時代は、エサも牛も安かったのですが、

牛が少々ダメになっても、補充が容易かったのだろうと。

そして、1,000㌧越えた、2,000㌧越えた、

そんな数字が飛び交っていました。

しかし、そんな時代にあっても、

世間からは、逆行するようなイメージを受けるほど、

実際は、そうではないのですが、

「乳量じゃないんだ、酪農家が目標にするのは、

牛をダメにしないことなんだ。」

「乳量は結果だ。」

「これは、あとからついてくるものなんだ。」

そう言って、もう何年も、そこだけに視点を置いて、

牧場をやってきた顧問先があります。

それらの牧場を見ていると、

後継牛が増える。

販売できる牛が増える。

残してもいいし、売ってもいいですし、

どちらでもいいのですが、

結果、それらは、出荷乳量を増やすことができるのです。

だから、そんな牧場を見ていると、

「そろそろ、牛舎を増築するか…、」

そんな感じの経営に見えるのです。

同じ牛飼いをしているのですが、

たったこれだけの、どこに視点を置くか?

この違いで、実は、全然、まったく違う経営をやっているのです。

牛を健康的に飼うこと自体は、牛飼い皆さんの想いですが、

その想いの強さは、大きいところと、小さいところがあるようです。

Written by 酪農応援隊 

酪農コンサルタントのブログ 加藤隆

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2007年1月 5日 (金曜日)

良い年にしましょう。

また新たな年が始まりました。

本年もよろしくお願いいたします。

酪農業界にも他の産業に漏れず、好不況があります。

心情として、「好景気がずっと続いて欲しい」と願うのは、

誰しもの想いですが、

残念ながら現在の酪農は、不況です。

そして、「不況だ、不況だ」と騒いでも、牧場経営は続行中です。

世の中では、為替も動くし、市場も動いています。

輸出入、為替、市場(穀物)などとの関わりを持つ私たちの産業は、

その影響を大きく受けます。

他の産業での不況時の対応は、どうでしたでしょう?

いろいろ参考なる書籍などが巷にはあります。

気になる人は、本屋に足を運んでみるのもいいでしょう。

不況を乗り切った会社は、

経営体質をスマートにしたり、

その時代時代に合わせた形に変換したり、

近年では、バブル崩壊後の難局を乗り切っています。

では、私たちは、どうしましょう?

じっと、我慢も戦略のうちのひとつでしょうが、

いずれにしても、この減産期の難局をなんとか乗り切り、

また新たな歴史新しい酪農の時代を築き上げていかなければなりません。

今は、そういう時代に差し掛かっています。

そういう時代なのです。

好況な時は、誰でもできることをやっていれば、

それなりに儲けさせてくれました。

牛を増やし、出荷乳量を増やせばよかったのですから。

しかし、不況はと言うと、

人のやらないことや、

まだ取り組んでいなかったこと、など、

そのようなことにチャレンジしていかなければ、

なかなか儲けさせてくれない時代だと認識しています。

厳しいときほど、やり方次第。

ここでの踏ん張りが、数年後、大きな差として現れてきます。

私は、酪農家は、ひとつの「技術者」だと思っています。

「牛飼いと言う技術の差」が、

乳量の差であり、体細胞数の差であり、

乳房炎の少ない牛群であり、

疾病の少ない牛群として現れていると思っています。

当然、それらの差が、お金(収支決算など)の差として明確に現れています。

ですから、これらの何かひとつでも、

平均的な数字より劣っているのであれば、

その技術レベルを上げるためには、今よりも、勉強しなければなりません。

一方で、技術レベルの比較的高い人も、

そこに慢心することなく、日々、その技術に磨きをかけなければなりません。

酪農家のみなさんは、現場での経験が豊富なのですから、

勉強さえすれば、相乗効果は大きいはずです。

知識経験は、両輪なのです。

私は、あなたのがんばりに、おおいに期待します。

年末に1年を振り返ったとき、

「良い年だったね」と言えるよう、

また1年、がんばりましょう。

Written by 酪農応援隊 

酪農コンサルタントのブログ 加藤隆

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